かなり以前から、毎日の米は、友達や知り合いにわけてもらった玄米を、その都度精米して使うようにしている。
だいたいは三分つき米くらいにするけれども、場合によって七分つきくらいまで精米することも。
出来た糠は庭にまいたりしていたけれども、毎日のように出来てしまうこの糠をまったく利用しないのもいかがなもんだろう、という気がして、ぬか床を作ってみる気になった。
それほどぬか漬けに思い入れがあるわけではないし、ぬか床というと手入れがものすごく大変というイメージがあるので、ずっと敬遠してきたけれども、どうやら、簡単ぬか床というものもあるらしい。
(実際には、そんなに簡単じゃない気はするんだけど。)
生の糠をそのまま塩水で練って、うまみ追加のために昆布を入れて、しばらく捨て漬けをするだけ、ということらしい。
まずは、糠の蓄積。1回あたり5合の玄米の精米で40g~70g(精米歩合による)くらいしか糠は出ないので、しばらく溜めないとなんとかぬか床になるくらいの量にならない。500gを目指して、1週間くらい蓄積した結果。
糠の重量と同じ重量の水と、糠+水の7%重量の粗塩を加えて、耳たぶくらいの柔らかさに練る。が、耳たぶくらいの柔らかさ、のリファレンスとして自分の耳たぶをひねってみても、実際のところあんまりぴんとこない。要するにもちもちした感じで練れていればいいんだろう、と解釈。
完全に糠に埋め込んでしまったので見えないが、ダシとしての昆布と、防腐剤も兼ねた唐辛子、そして、糠に植物由来の乳酸菌を移植するべく、キャベツの葉や、オネバ、ニンジンの茎に近い部分を漬け込んでいる。
本当にこんなのでいいのか?と思わないでもないが、野菜には乳酸菌が付いているらしいので、こうやって捨て漬けすればその乳酸菌が糠を発酵させるとのこと。
糠は植物なので、植物由来の乳酸菌でなければだめだから、ぬか床にヨーグルトを入れても役に立たないらしい。
ほとんど化学実験ののりで、毎日ぬか床をかき混ぜていると、5日目くらいには、確かにぬか床から酸っぱい匂いがし始める。
もうそろそろ良いかな、ということで、オーソドックスなキュウリとナスを漬けてみる。キュウリはそのまま、ナスは縦半分に切って漬けることにする。どんな野菜でも、塩でもんで、ぬか床に押し込めば、4時間ほどで食べられるようになるらしい。
できました、ぬか漬け。一級品のお漬け物にはかなわないけれども、お手軽に家で作れるのなら、これはこれで良いかも。実は、捨て漬けに使っていたオネバも、3日目くらいの分を切って食べてみるとそれなりに食べられる。ぬか漬けにしてみよう、と思う野菜があれば、適当に切って、塩でもんで、ぬか床に押し込んでおくだけというのは、意外と簡単と言えるかもしれない。
ただ、ぬか床は、毎日、かき混ぜないといけないので、それはそれで手間がかかる。
が、最悪、ぬか床がだめになってしまったら、潔く捨ててしまって、また最初からやり直せばいいか、とかなりお気楽に考えているので、そんなに悲壮感もない。
なにせ、糠は、毎日、ご飯を炊くたびに供給されるので。